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第1回 カペラゴーデンとは?

はじめまして。スウェーデンにあるカペラゴーデンという学校へ家具製作を学びに留学しているIkuruです。

 先日から3年目が始まりました。最終学年である今年はスウェーデンの木工職人資格の取得を目指しています。日本にはない制度でドイツのマイスター制度に近い資格です。このメールマガジンを通して、色々な方々に僕のスウェーデンでの生活、学業などを紹介していきたいと考えています。

 まずは僕のいるカペラゴーデンの紹介から。この学校はスウェーデンの南東にある2つの大きな島の一つエーランド島にあります。カールマルムステンというスウェーデン近代木工の祖ともいうべき人が創立した学校で、木工科が特に有名なのですが、他に織物科(テキスタイル)、陶芸科(セラミック)、園芸科(ガーデニング)があります。このメールマガジンでは木工科の話が中心となると思います。

 この学校は彼の理想でもあった、生活を通して物を作る環境を実現している場所でもあります。1958年、元々は古い農家だった建物を買い取って改造し学校となりました。今も当時の名残があります。現在は国の補助や、学費などで運営されているスウェーデンでも特殊な学校です。

 Capellagardenは現在スウェーデン(北欧)で木工を学ぶ場合の最高峰の学校の一つとなっています。スウェーデンだけではなく外国からの留学生も在籍しています。4コース、全学年合計で約70人くらいの小さな学校で、木工科は基本コースが2年間、希望するともう1年学ぶことが出来ます。織物科、陶芸科は最大2年間で園芸科は約10ヶ月です。

 学生は基本的に校内で勉強、作業、そして生活をします。生徒それぞれの独創性や創造性を重視した高度な技能教育が受けられ、全員がひとつの共同体のような学校です。寮も校内に設けられていて、平日3食の食事も提供されます。

 自分たちの暮らしの場にある物、例えば家具ならば木工科、コップなどは陶芸科、マットは織物科というように、過去の、もしくは友人達の作品の中で暮らします。学生達はそれらに触れ、考え、影響を受けることで、新たな物を見つけることが出来るかもしれません。また校内は園芸科によって花に囲まれていて、夏は最高に良い環境となります。

 木工科では3年次に希望することでスウェーデンの木工職人試験(ドイツでいうマイスターの一つ手前の試験)を受験することができます。製図、製作、完成作品の全てが審査の対象となるとてもハードな試験です。基本的に職人試験は木工関連の工房で2年以上の実務経験がある人が対象なのですがカペラゴーデンは数少ない例外で、ここではマイスターである2人の先生の元で、2年間学ぶことで受験資格を得ることができます。

 僕は今年はこの試験を中心として活動していくことになります。