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第10回 番外編 父の仕事、パイプオルガン製作について。

 僕の父は日本でオルガン製作をしています。オルガンとはパイプオルガンの事を指します。メルマガNo.01で僕が木工に興味を持ったきっかけとして父の仕事場があったことを挙げました。オルガンを作るというのは99パーセントが工作作業で、その中には木工もあれば金属加工もあったり、革を扱ったりと、いろいろな物が含まれていて、鍵盤の裏ではたくさんの仕掛けが動いています。

中新田バッハホール

 オルガン製作というと音楽の世界をイメージしてしまいがちなのですが(実際、父の仕事場へ就職希望の方の中にも多いようです。)、物を作ることが出来ないとまず何もできません。作るとは言っても説明書通りにつくるというのではなく、必要な物を新たに作ることが出来る器用さが大事です。

 ということで、仕事場内には木工の作業場とほとんど同じ道具、機械が揃っていました。木工を始めるにあたり、この事はとても恵まれていました。試行錯誤をしつつもいろいろな事に挑戦できました。

 良く聞かれる質問でもありますが、オルガンは正面に見えるパイプだけではありません。内部にはずっと多くのパイプが無数に並んでいて、鍵盤の数と音栓(音色を変えるスイッチのような物)の数をかけた数だけパイプがあります。正確には音色を重ねたりで音の数が増えるようなので総計は上下しますが、大きいオルガンの場合1000本を超える数になります。

 一つの鍵盤を押したまま、横にある音栓をひとつずつ出していくと音が増えていきます。例えば、現実的ではありませんが、10の音栓を出して、"ド"の鍵盤を押すと10種類の"ド"が鳴ることになります。チャンスがあったらどこかで試してみてください。ドミソの和音の状態で音栓を出すと綺麗な音が出ます。

 パイプ自体も木で作られている物がたくさんあります。正面の見栄えがするところは金属パイプですが、内部にはパイン系の木で出来ているパイプがたくさん立っています。木のパイプは手で触ってもたぶん大丈夫なのですが、金属パイプは触ると手のひらの熱を受けて、音が変わってしまうほどデリケートです。調律中は調節したら次のパイプを先に調整して、熱が逃げるのを待ってから音を確認します。

 オルガンが今でも最高の楽器であるのはそれひとつで圧倒的な量の音を扱えることだと思います。しかも、その裏にはエレクトロニクスも増えてはいるものの、それだけの数のメカニックが詰まっています。大きいオルガンになってくると内部はすごいことになっています。

 オルガンを作るにはある程度の建築、物理、電気、音響などの知識が必要になり、さらにそれらをまとめられる工作技術も重要です。

 と、僕の知っている少ない知識を書きだしてみました。これらはカペラゴーデンで朝の朝礼の係が廻ってきた時に話したことでもあります。

 このメルマガをたぶん父も見ていると思うので間違いがあったらまた発表します。父のWeb Siteはこちらです。


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