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第21回 ストックホルムへ

2月の5日から9日まで開かれているストックホルム国際家具見本市へ行ってきました。この期間中、ストックホルム市内は展示会場だけではなく、街中のインテリア関連の店やショールームが催しをし、ギャラリーを借りて作品を発表するデザイナーもたくさんいます。会場によっては初日にパーティをするところもあり、お酒や軽食が振る舞われて夜中の3時頃まで開いているところもあるほどです。

カペラゴーデンの展示。力作揃いです。

 ストックホルム・メッサ(日本でいう幕張メッセのような巨大な展示会場)での展示は最初の4日間は業界関係者のみの商談の場としての趣が強くなっていますが、最終日の日曜日は一般の方へも開放されます。北欧だけではなくヨーロッパの企業や、アジアからも出展されています。僕の学んでいるカペラゴーデンも昨年の職人試験作品を展示しています。

 会場内は大企業から、小さな会社、学生、個人まで様々なブースに分かれいます。さらにインテリア関連の雑誌社も定期購読を募る為の特別価格で売り込みをしています。全部で約700の出展者数で昨夏の時点で登録はいっぱいになってしまうほど、重要な展示会として位置づけられています。会社にとっては新製品を発表したり、新たな顧客を見つける目的があり、学生にとってはひょっとしたらチャンスをつかめる場になるかもしれません。

マルムステンの記録たち。これでも一部です。

 5日は展示会場内をずっと回ったのですが、翌日からは市内へ行きました。今回の最大の目的はカール・マルムステン記念財団の人と会うことでした。彼の作品に関するすべてのデータが納められている場所へ行き、幻の作品を含む全ての図面、スケッチ、顧客リスト、写真資料を閲覧させてもらいました

 スウェーデンでは大きな知名度を持っているマルムステンですが、日本などの海外ではほとんど知られていません。今後、財団がしていくことの助けをできたらいいなと思っています。

 7日には個人的にも興味のあったマルムステン・スコーラとコンスト・ファック(芸大)へ見学にも行きました。一概にそうとも言えませんが手で物を作ることを学ぶ一番の学校と、デザインを学べる一番の学校です。詳しいことは別の機会に紹介する予定です。

 その晩にはマルムステンの住んでいた家へ行きました。現在は彼の息子である画家のエーギル・マルムステンが住んでいます。家具があふれている豪邸を想像していたのですが、普通の小さな家でした。室内にあるのは、かなり古そうな椅子や、使い込まれたマルムステンの家具でした。室内装飾等もスウェーデンらしい物が多く、逆にそれが素朴でマルムステンらしいと感じました。息子さん(とは言ってもすでに80過ぎ)の絵はすばらしく、現在も現役という感じでした。

 8日には市内にあるマルムステンの家具を中心に扱う店を訪れました。そこで財団の別の人に会いました。マルムステンの孫が現在の経営者で、展示会期間中だからか店内にはたくさんの客がいました。マルムステンの家具ははっきり言ってしまうと、現在のデザインからするとかなり古くさいと言えるのですが、テキスタイルや、樹種を変えるとかなりモダンになると再確認しました。ちなみに隣にある店は日本での注目度があがりつつあるSvenkt Tennスベンスクト・テンの店です。日本の民藝の展示をしていて大きな注目を受けていました。

椅子です。どのように座るのでしょう?答えはこのページの下へ。
コンスト・ファック2階で行われていた学生作品の展示。
マルムステン・スコーラの一年生の課題。5種類の異なる引き出しを持つ棚。先生が解説しています。
学生の作ったマルムステンの机。放射状に広がった木目がとても美しいです。
手で物を作ることを語るマルムステンの息子、エーギル・マルムステン。
答え。そのまま壁に寄りかかります。