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第22回 ランプ作り

今回はランプの話をしたいと思います。カペラゴーデンに来てから様々なランプを作りました。ロウソクを使っている物から、電球を使っている物、影を楽しむ物などなどです。ヨーロッパ中にもいえる事でもありますが、スウェーデンの人々は日本人と比べて光の使い方がずっと上手いと思います。日本のように強い光で室内を照らすことをしません。蛍光灯は仕事場やキッチンにはあっても一般家庭には日本のようには浸透していません。柔らかい光を好んでいるように思います。蝋燭(ろうそく)が普段の生活に浸透している点も日本とは異なります。

 各々の家から漏れてくる光を観察しているとよく分かるのですが、蛍光灯の青白い光よりも、暖かさをかんじる赤系の光が大半です。テレビを見ている部屋はまた違う色が見えますが。みなさんも、ご近所の家の窓を見てみてください。マンションなどは特に見分けやすいです。寒色(蛍光灯系の色)と暖色(普通の電球や、火の色)がよく分かります。最近は蛍光灯のランプも暖色系の色を出せるようにしているので一概にそうとは言えませんが日本では白い光が目立ちます。

 初めてロウソクを作ったのはスウェーデンに来る前でした。四角い枠を作り、その中に蜜蝋(みつろう)を流し込みました。芯となるひもの固定にちょっと苦労しました。枠である木に引火しないか心配でしたが、何度も実験を繰り返した結果、燃えることはありませんでした。蝋が無くなると火も消えてしまうので、ちょっと黒くススがつくことはありましたが、人がその場にいる限りは安全だと判断しました。もちろん売り物にするにはリスクがありすぎますが。

 スウェーデンに行く時に僕は大量の和紙を持っていきました。祖母が創作に使用していた物でしたが、高齢になり必要なくなり僕が引き取りました。300枚くらいはあったと思います。和紙に光を通すと、柔らかい光を発します。何か部屋の間接照明としてのランプを作れないかと思い、壁にかけることも可能な額状のライトを作ってみました。改善の余地があることも分かりましたが良い光を出してくれました。

 カペラゴーデンに来た最初の年の終わり頃、2001年の春ですが、木工科内に大量の白樺(しらかば)の端切れが置かれていました。聞いてみると、自由に使用して良いとのことなので、何か作れないかと考え始めました。すごい量があったので棒にして積み上げて使えないかなと思い、試作を始めました。何度か試した結果、細くする方が見た目が綺麗だと分かりました。

タイフーン(台風)。影が美しいです。

 ひたすら積み上げ、ランプカバーを作ったのですが、ふと、それらにねじれを加えるとどうなるかと思いつき、考えついたのが"タイフーン"という名前をつけたオブジェ的趣向の強いランプカバーです。細い棒4本を正確に正方形になるように接着してから、一定の角度変化をつけながらひたすら積み上げていきました。総数は400本くらいだったと思いますが、予想以上に良い感じに立ち上がってくれました。難点は強度が低いことで、倒してしまうとガラスのように粉々に接着がはがれてしまうことでした。

 しかし、内側にランプを置いてそのカバーから発される光はとても綺麗で圧倒されるものがありました。光と影の波のような感じに見えました。逆に手前から光を当てると影がまるで渦巻きのように見えました。これは夏のカペラゴーデン展示会に出品しました。こちらの新聞にも掲載され、買い手もつきました。現在はどうなっているのでしょうか・・・

 2年目の学校のクリスマスマーケット用には大量のロウソク置き(下の写真参照)を作りました。木工旋盤(せんばん)を使って、市販されている小さなロウソクを置けるようにしました。売れ残った物たちはベルギーにあるカトリックの修道院へクリスマスプレゼントとして送り、喜んでいただけました。

 講師の先生が来た時にランプを作る一日課題があり、和紙を使って作ってみました。僕が幼稚園生だったときに先生が教えてくれた折り方で中身に電球をいれました。吊しても折り紙の組みが崩れないようにするためにはノリを入れないとダメでちょっと製作に苦労しましたが、光の明暗、点と線がとても綺麗でした。

ピンッと張った和紙を枠を電球の入っている枠に取り付けています。
カペラゴーデンで住んでいた部屋で使っていました。
新聞にも載りました。
和紙30枚を組み合わせて作りました。