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スウェーデン木工留学記

カペラゴーデン編

2003/04/20

第30回 イースターの旅行 後編 帰り道のトラブル

サービスエリアへ進入しようとした時、突然、ハンドルの反応がおかしくなり、見てみるとタイヤが見事にパンクしていました。時速130キロで走っている時だったらと思うとゾッとしました。とりあえず空気を入れてみると、シュウーッと空気がタイヤとホイールの間から漏れ始めました。ホイールが状態がサビだらけで良くない為に密着度が悪いみたいです。走行時にサービスエリアへ進入する為にブレーキをかけた時にタイヤに強い力がかかった為、ゴムが歪み空気が抜けたと想像できます。

 準備万端だったので早速タイヤ交換を始めましたが、ボルトが完璧に錆び付いている様で全く外れませんでした。売店の店員さんに手伝ってもらってもダメで、不本意ながらもADAC(日本のJAFに相当)に電話をして助けてもらうことにしました。しかし、彼でもボルトを外すことが出来ず、低速で走れば空気が無くなる前にたどり着ける5キロ先にある修理工場へ行くことになりました。

驚くことに工場の機械でも5個の内、2つのボルトが外せませんでした。長い鉄パイプを、標準の十字レンチに接続し、2人で作業してやっと外すことが出来ました。すでに20時になっていました。

 交換をやっと始めたのですが他のタイヤも含めホイールの状態が悪すぎるらしく、「時速100キロ以下で走り、毎回ガソリンスタンド毎に空気圧のチェックをしていけば帰ることも出来るかもしれないけど、スウェーデンまで行くにはリスクが多すぎる。このまま走るのは勧めない。」と言われてしまいました。

 もう諦め、新しいタイヤ(それまでは冬に対応出来る物だった)とホイールを買うことにしました。パンクした当日は土曜日で翌日は当然休みなので月曜日まで待つことにして工場敷地内で車内に寝泊まりする許可をもらいました。不運でしたが、減速時にパンクしたことと電話が近くにあったことを考えると幸運だったとも思えます。

 翌朝の日曜日、小さな街でしたが道を聞きつつ歩いて駅まで行きました。英語は分からない老人だったので記憶にあるドイツ語で駅を教えてもらったのですが、その駅はローカル線で1時間に一本しか電車が来ませんでした。

 ハンブルグへ向かいました。往路でも寄っているのですが、また来るとは思っていませんでした。しかもまた日曜日(笑)。閉店中の街を歩き、駅構内を前回に増して見て回りました。ここでヨーロッパ中のキャンプ場を網羅している本を夏の旅行に役立つはずと思い買いました。ドイツ語で書かれていますがキャンプ場データが中心なので判断出来る内容でした。

 ハンブルグから終電に乗って戻ったのですが、降りる駅で扉が開かない!?その路線は旧式の車両で、手動で扉を開けるのですがコツが必要でした。焦っている内に電車は走り出してしまいました。次の駅で開け方の観察をしていたところ、乗った来た人に「なぜ降りないの?」と聞かれました。降り過ごしたことを説明すると折り返し方向はまだ電車があることを教えてくれました。

 次の駅で下車しました。そこで分かったことは地元の人でも扉を開けるのに手間取っていました。練習のかいもあって僕が開けてあげました。22時くらいに修理工場内へ戻って来れましたが2日続けてのトラブルで疲れました。

帰り道の途中で休憩。まだ事件の起きる前。気楽なもんでしたが。。。

予定外に2泊もする事になったADACの修理工場

修理工場のある街の駅は小さかった

ブレーメンの風車

月曜日になりました。タイヤ屋さんに電話をしてくれたのですが、在庫がなく100キロ以上離れているハノーバーの街から運んでくることになりました。作業終了予定時刻は16時・・・ということで今度はブレーメンへ行くことにしました。

 平日なので商店も営業していて、色々な所を見ることができました。ここでドイツ国内の詳しい地図帳を手に入れました。夏の旅行用にと何種類も見比べて選びました。これまで使っていた物はミシュランのヨーロッパ地図なのでずっと見やすいです。

 今度は問題なく電車から降りて、15時半くらいに到着すると既に新品のタイヤになっていました。錆びているホイールは引き取ってもらって冬タイヤだけ持ち帰りました。諸経費込みで約7万円ほどかかりました。痛い出費でしたが命に関わりかねないのでしょうがないです。でも、日本でJAFに助けてもらった場合、JAFへの入会、タイヤ、ホイールの新品への交換、工賃、残業代を支払う事を考えると安かったかもと、納得することにしました。

 冬タイヤよりも気持ちですが乗り心地が良くなり快適に出発しました。カペラゴーデンにも遅れていることを連絡をし、ハンブルグを越えてから就寝しました。翌火曜日、またフェリーに乗りデンマークへ渡りました。デンマーク・クローナは持っていないので、素早く通過しスウェーデンへ入りました。

 少しだけ遠回りをして夏の旅行に使えそうな物の下見がてらIKEAの店に寄るルートを選びました。IKEA創業の地にある店で他店より小さい店舗規模だそうですが、それでもかなり広かったです。

 夜20時に無事、カペラゴーデンに帰ってきました。合計3092キロの旅行でした。夏休みの旅行の練習を兼ねていて、トラブルはありましたが、うまくいきそうだと自信がつきました。イースター期間の早朝はまだ寒く凍えましたが楽しかったです。夏はもっとゆっくりしたペースで走ろうと決めました。

ドイツと北ヨーロッパを網羅しているキャンプ場ガイド。ADACが発行しています

ミシュランのヨーロッパ地図。この旅でとても役立ちました

ブレーメンで購入したドイツ国内地図。これが夏に役立つことになります

木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!