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第5回 心音を聴く。

 前回、妊娠10週目に初めて助産婦さんに会ったのですが、その次に会う日は17週前後の超音波検診後に、連絡をして予約をするように言われました。スウェーデンでは特に問題が無ければ妊娠初期は診察は無いそうです。もちろん希望すれば診てもらうことが出来ます。

母子手帳のようなもの。簡単なカレンダーになっていて予定などを書き込む。

 超音波検診はMVC(助産婦さんのいる所)では行われていない為にもう少し離れた街にある中央病院へ出向かねばいけません。検査日を指定した封書が来るということで特にすることもなく待つことにしました。

 前回もらった冊子を辞書を片手に少しずつ読み始めました。出産直後までの様々な事柄について書かれているのですが、感心したのが巻頭の文章でした。

 要約すると「現在、世界中で年に140万人の子供が生まれますが皆が同じ環境下だというわけではありません。先進国では健康で、お腹一杯食べることが出来、将来のチャンスも大きいですが、発展途上国では遙かに悪い環境(十分ではない食事、衛生や教育)で、たくさんの子供達は5歳になる前に死んでしまいます。

 さらに妊娠から出産時までの母胎への危険度もそれらの国々ではとても高く毎年約60万人の女性が亡くなっています。私達、西側諸国の人々は、これらの事をほぼ忘れてしまっていますが、100年前のスウェーデンも現在のバングラディッシュやエチオピアと同じような状況でした。

古本コーナで見つけた"妊娠出産大百科"

 裕福な国か貧しい国かの違い、同じ国でも裕福か貧乏かで、子供達は異なった人生のスタートをすることになるのです。」このような問題提議がなされていました。直前のページではスウェーデンでの出産事情(母子ともに安全である等)について述べられていたのでとても考えさせられるものがありました。

 話は変わってそんなある日、僕のいる学校、カペラゴーデンに日本のテレビ局が取材に来ることになりました。このメルマガの読者の中にもご覧になった方がいらっしゃると思いますが、テレビ朝日のポカポカ地球家族という番組でした。僕たちの生活を数日密着という感じだったのですが、その中でMVCへの検診のシーンを撮ることになりました。

 もちろん、検診の予約を入れていなかったので、メールを助産婦さんに送り、テレビ撮影の許可と簡単なインタビューの予約をもらいました。当日、前回のように現在の調子や質問事項についてのやり取りを、撮影されながらしていると、助産婦さんが「心音を聴いてみよう!」と提案。僕たちは全く予想していないので驚きました。

 普通はもう数週間後くらいに聴くらしいのですが、たぶん、音を聴こえるよということで、診察台へ。センサーの感度を良くする為にゼリー状の物をお腹に塗って、センサーを当てると・・・聴こえました。こんなに強く、速い音だとは思っていなかったので最初は分からなかったのですが、教えてもらい判断がつきました。カメラの方もバッチリと音をひろったようで番組の放送時にも心音が出てきました。

 本当に赤ちゃんがいると実感した日でした。