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第7回 スウェーデンの両親学級。

 スウェーデンでは妊娠20週を越えた頃から、父、母となる二人の為の両親学級が始まります。僕たちの登録したMVC(助産婦さんのいる所)では全7回で、出産前に6回、行われました。平日なので全てが任意ですが、男女とも揃って出席する人が意外と多かったです。

 毎回、異なるテーマで、妊娠期から出産までの様々な事を学びます。2時間弱のクラスの中で行った事を書き並べてみます。

助産婦さんが赤ちゃんの説明をしています。
・医師による、妊娠初期からの後期へかけての体型の変化から及ぼされるバランス変化の対応法。

 背骨から骨盤まである骨格標本を使用しての講義。男性でしたがとても分かりやすくて良かったです。姿勢の大事さを教わりました。

・呼吸法。陣痛の間隔が広い時は深くゆっくり、狭い時は浅く速くするなど。

 ヒッヒッフーのラマーズ法は教わりませんでした。

・授乳

 70年代前後、スウェーデンでは7割の母親が哺乳瓶でミルクを与えていたそうですが、現在は比率は逆転し栄養や免疫の点でも優れているからということで母乳で育てる事を奨励しています。

・心理療法士さんからの、これからの心の持ち方のお話。

 参加者それぞれが様々な不安を抱えているのですが、前向きに考えていく様に言われました。会陰切開することを恐れている人が多かったですが、スウェーデンではあまり一般的ではないとか。僕は、もしスウェーデン滞在が長引いた場合、言葉の問題はどうすべきかを聞きました。短くても長くても必ず日本語で接するようにと強く言われました。いずれにせよ子供は柔軟に対応出来るから心配しないようにと。

・赤ちゃんと会話をする事の大事さ。

 これはまだ何も言葉を話す事の出来ない新生児との会話です。オムツを換える時や授乳時に話しかける事は当然ですが、例として見たビデオには驚きました。生まれてすぐのまだ病院にいる時点で、赤ちゃんと向き合いながらお母さんが舌をちょっとだけゆっくりと出し入れするのを見せる事を繰り返して、しばらくすると赤ちゃんが、それに対して同じ事をしたのです。会話はまだ出来なくてもコミュニケーションは取れるのだそうです。

・他地区で行われているパパ学級のビデオ。
 隣室で母親達が呼吸の練習をしている時に、僕たち男性はビデオを見ました。パパとは?という事から始まる父親クラスの特集でした。

この時は多くの両親が揃いました。
・様々な出産法。

 仰向け、うつぶせ、座った状態だけではなく、両肩を支えてもらっている中での出産、お風呂での水中出産、さらに自宅出産の特殊な例として親戚子供の前での出産などがあることを知りました。スウェーデンでは出産時は本人の望む体勢を尊重してくれます。

 日本の本などではまず知る事のできない、出産の瞬間を見る事が出来るのはこれから出産を迎える者たちにとって、とても大事だと思いました。子供がどのように出てくるか、出てきた瞬間はどうなのか、泣くとどうなるかなど。最初は真っ青で、泣く事で呼吸をして体がみるみる赤くなっていく事を僕は全く知りませんでした。

 赤ちゃんが生まれると体を拭く前に、まずはお母さんの胸の上に置くのはとても良いと思いました。帝王切開の場合でも全身麻酔ではない為、すぐにお母さんに会わせていました。オッパイを探させるという狙いもあるようです。

・帝王切開のビデオ。

 80年代のスウェーデンでは多数の妊婦が最初から帝王切開を選んでいました。苦しまずに短時間で出産出来るからのようです。現在は自然分娩が多いそうですが、逆子の場合などには帝王切開を行うとの事で、手術の一日を追跡するビデオを見ました。

 入院している病院で朝ご飯を食べ、本人確認の為に名前等を述べて、識別リングを腕につける辺りまでは普通かなと思ったのですが、父親も白衣に着替え始めました。10時半から始まる手術中も付き添う事が出来るのには驚きました。ビデオの中の両親も驚くほど、手術はあっという間で、縫合措置などをしている間、子供と一緒にいられるのはいいなあと思いました。

・妊娠から出産時に使われる様々な新旧の器具の説明。

 陣痛を和らげる装置や、赤ちゃんを引っ張る器具など色々な物を教えてもらいました。出産時に鍼をうつ病院も一部にあることや、生まれてくる赤ちゃんの頭に軽く刺して使用する検査用の電極など、感心する物も、怖い物もありました。

 この両親学級は僕たち日本人にとっては難しい言葉がたくさん出てきて理解できないこともたくさんありましたが、参加して良かったと思っています。最後の一回は全員の出産が終わってから赤ちゃんと共に集まる事になっています。