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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2003.09.03

第7回 スウェーデン最新のショッピング・モール

こんにちは、須藤 生です。このレポートが発表されている頃には、カール・マルムステンCTDでの学業が始まっています。さて、今回はいつもと趣の異なるレポートです。

スウェーデンの首都ストックホルム郊外にあるKista(シスタ)という街には、スウェーデンのシリコンバレーと呼ばれるほどハイテク企業が集まっています。そして、この街に1977年からあった商店街が2002年に、新しいショッピング・モールとして生まれ変わりました。5万5千平方メートルの敷地内には約170のお店とレストラン、そして11の劇場を持つ映画館があります。

僕がここを知ったのは、ストックホルムに住む為の家探しをしている時でした。家を探しているいう広告をネット上に出していた時、コンタクトをとって来た方から紹介されました。彼女のメールには、そこはストックホルムで最先端の屋内モールだと書かれていました。当初はあまり興味を持たなかったのですが、近くに住んでいることもあり出かけてみることにしました。

スウェーデン国内でよく見る店がたくさん出店しているので一見、横浜や東京にもあるような普通の商店街に思えるのですが、興味深い事柄がたくさんありました。それでは、出店しているお店の紹介をしながらモール内を案内いたします。

ストックホルム地下鉄中央駅から青色の路線でAkalla行きに乗り、約15分でKistaに到着します。


年中無休で10時から夜9時までと、スウェーデンで最長の営業時間です。食料品を扱うスーパーは8時から開店していて、レストランによっては深夜まで営業しています。


5カ所ある入り口の一つからモール内に入ったところです。マクドナルドは日本と同じくスウェーデンでもあらゆる所に出店していますが、ここの店舗は他とは大きく異なる特徴を持っています。それは・・・


客席用の家具が明らかに普通のマクドナルドと異なります。皆さんはお気づきと思いますが、大多数がイームズの椅子なのです。この店舗はKistaの為に特別に設計されているそうです。


このLCMとサイドシェルチェア合わせて計70脚のイームズの椅子が使用されています。これらのクラシック家具と相反して、レジは最新のタッチパネル式を採用していて、注文している客側からも内容を確認することが出来るようになっています。
Mcdonald


BR Leksakerというおもちゃ屋さんです。60年代に創業し、現在はデンマークに約80店舗、スウェーデンには50店舗があります。ストックホルム市内にも数店舗あるので簡単に見つけられます。


店内には赤ちゃんの為のオモチャからLegoまで何でも揃っています。ちなみにleksakとはスウェーデン語でオモチャという意味で、-erが付くことで複数形になります。
BR Leksaker


モール内のメインストリートです。屋内ですが、自然光で照らされるようになっています


ストックホルム周辺地域に6店舗を展開する女性服のお店です。
DEA


モール中ほどには食事エリアが広がっています。客席を囲むようにたくさんのお店のカウンターが軒を連ねていて、イタリアン、ギリシャ料理、トルコ料理、インド料理、中華、魚専門店などから、さらには寿司店まで10件以上あり、好きな食事を選ぶことができます。なぜかスウェーデン料理が無かった気が?


The Body Shopは1979年にストックホルム旧市街に第1号店がオープンしました。現在は全国に約60店舗が展開しています。
The Body Shop


お菓子屋さんです。日本では見ることのない、ラクリッツという黒いお菓子が売っています。ヨーロッパへ来られた時にはぜひトライしてみてください。スウェーデン人はこれが大好きです。味は・・・


B-Youngは91年デンマークの小さなオフィスから始まったブランドです。現在はヨーロッパ中に200を超える店舗を持ち、若い女性向けの服を販売しています。
B-Young


スウェーデンの他地域でもそうですが、屋内外問わず、どのような所でも必ず休憩の為のスペースが設けられています。
奥に見えるTwilfitは1922年に女性肌着店として創業した店で、現在は様々な婦人服を扱うお店です。ストックホルムに約15店舗、国内にはさらに20店舗があります。
Twilfit


Hemtexは全国展開をしている家庭向けのテキスタイル専門店です。テーブルクロスからカーテン、シーツまで何でも揃います。スウェーデンのテキスタイルマーケットの15%を売り上げる大手です。デンマーク、フィンランドにも店舗があります。
Hemtex


創業40周年を迎えたDUKAはキッチン、食卓用品専門のお店です。一般的な物からコスタ・ボーダ、ローゼンダール等の高級品までが手頃な価格で入手できます。スウェーデン全国に100店舗以上が展開しています。


創業100年を超えるストックホルムにあるAhlensデパートのインテリア店です。Aの上に小さいoが付いてオレンスと読みます。日本のガイドブックではオーレンスと書いていますが、オレンスの方が実際の発音に近いと思います。
Ahlens


ICA(イーカ)はスウェーデンのみならず北欧諸国にも進出しているスーパーマーケットです。小さな街のお店から超大型店まで様々です。ここの真向かいには、やはり食料品などを売るCOOPが出店しています。どちらの店にも小さなカフェが隣接しています。
ICA
COOP


健康な生活を送るための食品や、衣料品のお店です。全国に100以上の店舗があります。
life-halsobutiken


若者だけではなく、赤ちゃんのいる家族連れ(左)や歩行補助具が必要な年配者(右)などハンディキャップのある方でも問題の無い作りになっています。


モール内には複数の銀行が窓口を設けています。ここはSkandinaviska EnskildaBanken(SEB)です。色と光の使い方が上手いです。
SEB


このレストランではフランス料理とスウェーデン料理を提供しています。20種類以上のビールがあることも魅力です。
Roda Rutan


モール内には複数の美容院があり、雰囲気も様々です。


スウェーデン全国にあるコンビニ
Pressbyran


ここは軽食を売る店


ふと見ると子供用の椅子がありました。ここは子供連れにも最適と宣伝しているだけあり、様々な所に力を入れています。奥に見える階段(もしくはエレベータ)を降りると、子供の為の遊び場があります。専門の係が常駐しているので、2時間半500円程の料金で子供を預けて両親はショッピングなり、食事へ行くことができます。広くて色々な遊具があるので、子供達にはかなり楽しそうな場所でした。


スウェーデン国営の酒屋です。全国に400店舗程がありますが、スウェーデンではこの店以外でアルコール度数3.5%以上の酒を買うことはできません。未成年と思われる客にはすぐにIDカードの提示を求めてきます。


トイレです。写真には写っていない右側に男女のトイレがそれぞれあり、さらに左側に子供連れ用のトイレがあります。驚いたことは母親と子供の為の部屋だけではなく父親との部屋もちゃんと用意されていたことです。室内にはおむつ交換台や、授乳室が設けられています。通常、トイレ使用料は5クローナ(80円程)が必要ですが、親子の場合は無料になっています。


先ほどの様々な店が集まる食事エリアの客席です。この椅子は授乳室でも使用されています。


ヨーロッパを中心に約900店を展開しているHennes & Mauritz(H&M)です。ユニクロの様に手頃な価格を全面に出している衣料品店です。僕の印象だと、デザインはH&Mの方が優れていますが、質はユニクロの方が上だと思います。ホームページも見応えあり。英語のページもあります。
H&M


スウェーデンの薬局です。一般的な薬などから、処方箋薬までを扱っています。オリジナルのリップクリームは優れものです。
Apoteket


創業35年ほどで300店舗を持つ北欧最大のメガネ店になっているSynsamです。スウェーデンの運転免許証を取得する時には、ここなどのメガネ専門店で視力検査を受けなければなりません。
Synsam


北欧4カ国に約110の店舗を持つ靴の専門店です。din skoとは直訳すると、「あなたの靴」という意味です。
din sko


全世界に4700店舗を展開する世界最大のスポーツショップです。日本とは違い、ホッケー用具やキャンプ用品にとても力を入れています。
InterSport


Inter Sportの隣に同じくスポーツ用品店であるStadiumがあります。スウェーデンでは、よく見かけるのですが、同じ業種の店がこの様に隣り合っていることがあります。このモール内でも、同じような電気店や、スーパーマーケットが隣接しているので、同じ物の値段を見比べることが出来ます。
Stadium


子供とその両親のための服を扱うPolarn O. Pyretです。お腹の大きい妊婦服から10歳児までの服が揃っています。クオリティーの高い製品を前面に打ち出しています。
Polarn O. Pyret


アメリカとイタリア料理をアレンジした料理を出すバー・レストランです。
Cafe Hollywood


電球から様々な工具、コンピュータ用品、ボートのプロペラまで、とにかく何でも揃うお店です。
Clas Ohlson


SF"Svensk Filmindustri"の映画館です。11の劇場に約1500の客席があります。
SF Filmstaden


全国に展開している本屋です。文房具なども扱っています。ストックホルム市内にある本店?は北欧最大の店舗で、本屋とは思えない雰囲気とゆとりを持っています。
Akademibokhandeln


あるcafeの入り口付近のラウンジです。


昼になると、周辺のオフィスからランチを食べに来る人達で混み合ってきます。


お店自体はもっとあるのですが、スウェーデンの代表的なお店を紹介しながら歩いてみました。日本の巨大ショッピング・アーケードと比べると規模は小さいですが、いろいろと感心させられるところがありました。皆さんもストックホルムへ来られることがある時は、ここへも訪れてみてくださいね。なかなか面白い所です。

木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!