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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2006.12.27

第51回 職人資格授与式。そして、個展を開催します!

こんにちは! 色々と忙しくしていた為、久しぶりの更新となります。今回のリポートは二つの報告を兼ねています。まず、一つ目。ついにスウェーデン留学の大きな目的であった、職人資格を正式に取得しました! そして、もう一つはこの留学生活の報告会。年明けすぐに東京で個展を開催します! もちろん、職人試験作品も展示します。お近くへお越しの際には、ぜひ、ご来場ください。

まずは職人資格の授与式の様子をご覧ください。会場はストックホルム市庁舎。ノーベル賞でも有名な、同じ会場です。


少し早めに到着したので、会場を見学。既に式典の準備が整っていました。この式にはストックホルム県内の様々な職種の職人達が参列します。


2階から会場を見下ろしてみました。まだ参列者はまばらですが、この後には満席になりました。


参列者席の後方には今年の試験作品が並んでいます。


見応えのある物の内、例えばこれはマルムステン校のギター製作科の学生が作った物。


こちらはスーツの仕立て職人たちの作品です。ドレスやアクセサリーを作る職人の作品もありました。


馬の鞍。革工芸の技術も受け継がれています。


新たに職人になる者たちの集合場所。ノーベル賞授賞式ではダンスホール(以前は晩餐会の会場でした)となります。


僕と一緒にマルムステン校で学んだクリストッフェルとエメリーと久しぶりに再会。クリストッフェルは個人工房をストックホルムに構えて仕事を始め、エメリーはオスロ(ノルウェーの首都)にあるオルガン工房で働いています。


楽団のメンバーまで遅刻してしまうほどの大雪だった為に、式の開始が遅れていました。待ちきれず、遊んでいる僕の子供達。


ついには階段まで登り始めてしまいました。


やっと、式が始まりました。まずは新しい職人たちが2階から降りて来て並びました。


挨拶や楽団の演奏後に、一人ずつ職種と名前を呼ばれ、資格証を受け取りました。ついさっき、僕の息子が走り回っていたところですね(笑)。


春に試験に合格していたとはいえ、資格証を正式に受け取る事ができ、やっと一安心できました。応援してくださった皆様方にお礼を申し上げたいと思います。これからもよろしくお願いします。


受け取った証明書以外に、縮小されたコピーや職業訓練終了証が同封されていました。多国語で記述されているので、ヨーロッパ中で通用します。小さな物は財布にも入るカードサイズの証明書でした。


これは銀のメダル。職人試験で好成績(100点満点で90点以上)だった者のみがもらうことが出来るので、結構、嬉しいです。

授与式も終わり、家族と両親(日本から式に参列してくれました)と豪華な夕食! と、言いたいところですが、この後には大変なハプニングが待ち受けていたのです。写真を撮れる状況ではありませんでしたが、詳しくは僕のブログでご覧ください。


今度は以前から計画していた日本での展示会に備えて、家具発送の準備を始めました。当初は船便での輸送を検討していましたが、確実に素早く送ることが出来る航空便を選びました。まずは、家具たちを梱包。


次に、木箱を注文した木工房へ運び込みました。ヨーロッパ規格のパレットに合う大きさになっています。大型貨物は重さよりも、容積が価格に大きく影響する(極端に言うと、空っぽの木箱と、中身が詰まった木箱の値段は同じ)ので、パッキングが重要です。


発送の準備が整い、SASカーゴ(スカンジナビアン航空の貨物部門)に輸送を依頼しました。


日本帰国後(旅行過程は今後、紹介予定です)、送った時と同じ姿で荷物が無事に到着しました。かなりの費用がかかりましたが、無事に家具たちを受け取れたので満足です。個展に間に合わなかったりしたら、冗談では済みませんからね(笑)。


中身を確認してみました。特に荷崩れもなく大丈夫そう。


気候の変化による木の変形や割れも心配していたのですが、とりあえず問題はありませんでした。ただし、引き出しは動きがきつくなってしまったので、調整が必要そうです。

他に手が掛かりそうなのが、表面状態の補修。自宅で使っていたので、子供たちに傷つけられたり、落書きされたりしているのです(笑)。


ということで、僕のスウェーデン留学報告となる展示会を、ジャパンデザインネット協賛、新宿リビングデザインセンターOZONE後援で行うこととなりました。会期は2007年1月4日木曜日から16日火曜日(水曜日休館)です。スウェーデン滞在中に製作した作品(生の木から削り出したスプーンなどの小さな物から、職人試験受験の為に製作した戸棚まで)や、活動、様々な資料を展示する予定です。もちろん、入場は無料です。


展示会場は新宿パークタワー内、リビングデザインセンターOZONEの6階にあるリビングデザインギャラリーです。開場時間は10時半から19時となっています。初日の夕方にはスウェーデン料理(軽食)による、オープニングパーティも予定しています。


新宿西口エルタワー前(新宿駅構内の20番出口近く)から、リビングデザインセンターOZONEのある新宿パークタワーまで約10分間隔で無料バスが走っていますのでご利用ください。

会期中は僕も常駐していますので、たくさんの方とお会いできるのを、楽しみにしております。ぜひ、ご来場くださいね。

木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!