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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2007.11.07

第59回 晩秋のアスプルンド世界遺産

こんにちは! スウェーデンの須藤です。ストックホルムにはついに初雪が降りました。長くて暗い北欧の冬らしくなってきました。

さて今回も、前回(の前半部)に引きつづき、建築家アスプルンドの傑作“Skogskyrkogarden森のお墓(ストックホルムの公営墓地)”を紹介します。前回は真夏の風景でしたが、今回は冬が目前の晩秋の様子をご覧ください。

この墓地のシンボルとも言えるのが、このコンクリートの十字架。どれくらいの大きさだと思いますか?


この辺は常緑樹が中心なので、あまり秋らしさは感じませんね。


こちらには色づいた木がたくさん植わっています


現在、こちらはどんどん日が短くなっていて、11時頃でもこの影の長さ。


森の中に教会を一つ見つけました。広大な墓地の中には幾つもの教会が点在しています。


お墓参りに来ている人は極々少ないのですが、綺麗に整備されています。


土日には最寄り駅からの循環バスも運行されているんですよ。


落ち葉に埋もれた場所を見つけました。もう少しで今度は雪に覆われるのでしょう。


先ほどの質問の答えです。私の子供を座らせて撮ってみました。どれだけ大きな十字架かお分かり頂けると思います。


そして別の日にまたここへやって来ました。この日はスウェーデンの休日で、死者へ祈る日となっています。日本の盆の様に墓参りに訪れます。年に一回だけの特別な日で、夜20時まで開園(普段は16時)されています。


お墓に参るだけではなく、高台などにもロウソクを灯します。


この様な木の回りにも。このロウソクは丸二日以上輝き続けられる物で、墓参りの必需品です。


普段は公開されていない教会の中へも入ることが出来るんですよ。


ここでもロウソクを点火して供える人が絶えません。


しばらく祈ります。


教会の内部はどれも特色があり、全く違う内装になっています。


夏に撮ったように、池を挟んで教会(複数ある内のひとつ)を見てみましょう。手前の池は既に凍っています。この日の朝は初雪だったのです。


この教会が一番大きな聖堂を供えています。


お墓のある森の中へ行ってみましょう。既にたくさんの灯りが見えています。


真っ暗闇(歩くのも大変なほど)の中に、点々と光が灯っているのは非常に美しい光景です。


今度は小さな教会を見つけました。数家族で一杯になってしまうくらいの大きさです。一族だけでの埋葬時などに使われるのでしょうか。


小さい写真ですので雰囲気が伝わりづらいのですが、本当に綺麗な光景でした。


このお墓にはきっと家族一同で集まったのでしょうね。たくさんのロウソクが灯っていました。


なかなか見ることが出来ない世界遺産の特別な日は如何でしたか? 今度は雪に覆われている中を見に来たいです。

木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!