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スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2008.03.26

第61回 異文化旅行 エメリー編。北欧から日本へ(前編)

こんにちは! 今年のストックホルムは冬らしくない日々が続き、ほとんど雪が降らないまま春になってしまうようです。真っ白な銀世界を期待していたのでちょっと寂しいですね。

さて、今回は今までと趣向を大幅に変えて、ある二人の女性の旅行を紹介します。

一人目は日本へやって来た、ノルウェー人のエメリー。このJDNレポートでも度々、登場していますのでご存じの方も多いかと思います。なにげにJDN編集部には彼女のファンがいるそうですよ(笑)。


そして二人目は、スウェーデンへやって来た日本人のマユミさん。僕の大学時代(日本での)からの親友です。雪があるだろうと思ってブーツを新調してきたのに、全く雪がありませんでした(笑)。

普段生活している文化と大きく異なる国への旅行で、彼女たちは何を見てきたのでしょうか。


まずはエメリーの日本旅行からご覧ください。彼女はノルウェーのオルガン工房で木工職人として働いています。もちろん僕の父がオルガン作りをしていることを知っているので、今回の来日が実現しました。ちょうど僕も父の仕事を手伝うために帰国をしていたので良いタイミングでした。

写真は現場での組み立てが始まるオルガンの鍵盤。エメリーには椅子を作ってもらおうと交渉中(冗談)。


なんと、3週間もの長期休暇(北欧ではいたって普通)を取って、ニュージーランドの友達の元へ遊びに行った帰り道、日本へ5日間の予定でやって来ました。ヨーロッパからオセアニア方面へ行くには成田空港などが経由地になるので都合が良かったのです。みんなで一緒に休憩しながら雑談。父の工房に所属しているのが女性ばかりな事に驚いていました。


その後に工房内を見学をしてまわりました。父はなんでも見せるので、どんどん時間が過ぎていきます。欲しい人には図面だってあげると豪語しているほどなんですよ。まあ、コピーして作れるような物ではありませんしね(笑)。


横浜山手のカトリック教会に納められている父のオルガンを二人で見に来ました。ちょっと早く到着したので山手界隈を散歩。実は僕も初めて来た港の見える丘公園。奥はベイブリッジ。


すぐに遊び始めるエメリー。


外人墓地の中を散策できるかなと思っていたのですが、立ち入ることが出来ないんですね。


カトリック山手教会。日本で最古参の教会の一つです。


ここに設置されているのが、父のオルガンです。比較的、小さな物になります。


ディテールにも凝っています。


後ろに回り込み始めました。


ス、スパイ活動ですか、エメリー(笑)!? 蓋を開けて写真を撮りまくっていました。ノルウェーに帰ったら、工房の仲間に見せるのでしょうね。


僕の実家のすぐ近くにあるお寿司やさんへ出かけました。

欧米の国々同様にスウェーデンやノルウェーでもお寿司が流行っています。ストックホルムでもそこら中に寿司バーがあり、ちょっと首をかしげたくなるような店もあったりするんです。例えば、寿司とコーラとか(笑)。


そのノルウェーから来たエメリーですが、どうやらお寿司の経験は全然無かったようで、この日の晩はエメリーにとって、初のお寿司でした。それならば、本物の寿司を味わってもらわないとね。初めてお座敷での正座。座布団も初めてでしょう。


魚を捌いているのを目の前で見るのも、握りも初めて。


大トロ、イカと食べた後に、こんな手の込んだ物が出てきました。このままだと醤油に浸けづらいのですが、ガリを使って醤油を塗る方法を教わりました。もちろんエメリーも実践。


アサリのお味噌汁で締め。とりあえず美味しく食べられたようです。どうしても口に合わないという物はなかったみたいだけど、ウニは変わった食感だったみたい。湯飲みをお土産にもらって喜んでいました。


日本の電車にも乗りました。この様な長いベンチ式の椅子はヨーロッパでは珍しいんじゃないかな。


つり革がたくさんあるのが真新しかったみたい。


強烈な通勤ラッシュは体験していませんが、もうちょっと混雑している電車には乗れました(この写真ではありません)。スウェーデンだったら、大混雑と言えるくらいの混みようでした。


当初は浅草辺りの観光を考えていたんだけど、日本の伝統文化を見るのなら、鎌倉の方が良いと気付きました。歩いて回れる範囲にたくさんの見どころが集まっていますしね。しかも800年も前に栄えた場所というのもインパクトがあります。


円覚寺で。デカイ! と驚いています。実際はもっと大きい物もあるんだけどね。


すっごい構造だねー、と建物を見ていたら幼稚園生の列が通っていきました(笑)。


日本式の庭園も初めてだね。


「あそこに人が座っているよ」というから、どこに? と思ったら、確かに右奥に人影が。仏像ですね(笑)。


境内にあった日本のお墓を見学。ヨーロッパの物とは随分と違いますね。


鐘を突く。もちろん、振りだけ(笑)。


竹林で。竹を見慣れないのでしょうね。


しかーし、登ろうとするエメリー。最近、クライミングを始めたそうなんだけど、ちょっと無理でしょう。


高台に登れるんですね。地形が険しいノルウェーや、日本へ来る前に2週間滞在していたニュージーランドで山歩きをしまくってきたエメリーと、街を歩き回ることが主である僕との基礎体力差がここで発覚しました。


そ、そんなことをしていると、本当に咬まれちゃうぞ(笑)。


僕は少々息が上がっていたのですが、エメリーはこの表情。余裕たっぷりですね。


北欧人らしく、日光浴を始めました。ここでしばらくお喋りをして休憩。


奥にはさらに上へと登れる階段がありました。張り切って登っていくエメリー。結構きつい階段なんだけど、息が上がりつつある僕に対し、エメリーは楽勝で登っていく。周りにはもっと苦しそうに登っている人がいるのにすごいです。この先はなかなか景色の良い展望台があるんです。下り道もやたらとハイペースで下りていました。元気すぎ。

ニュージーランドで何をしていたのかと思ったら、山登り数回、バンジージャンプ、スカイダイビング、急流下りもしてきたそうです。恐るべし。


今回はここまで。次回はノルウェーから来たエメリーについての模様からお伝えします。

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メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

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カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!