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第12回 新聞誌上での出産告知。

 出産をした病院に滞在していた数日間、ある部屋を発見しました。”赤ちゃん写真撮影します”という広告と、さらにその写真が掲載される新聞の名前が並んでいました。

 僕の知っているかぎりでは、スウェーデンの新聞紙上には出産告知として家族の写真を掲載するスペースが設けられています。掲載費用はかからないと書かれていましたが、どこで撮影をするのかは知らないままでした。撮影日は週3回で昼前のたった30分間だけとの表示。

 ということで、僕の学んでいた学校、カペラゴーデン内の自宅へ帰ってから数週間後、再び赤ん坊を連れて病院を訪れました。余裕たっぷりに到着しましたが、すでに先客が待機していました。指定時間には10組以上が来たのですが特に順番に並ぶわけでもなく、撮影順が決められている事もありませんでした。遠慮しているといつまでたっても撮影室へ入る事が出来そうもないので、”次は僕たちの番!”と言わんばかりに駆け引きを行ってみました。

生後約2週間の頃に撮影をしました。

 撮影室へ入ると当然ともいえますが、写真の複数プリントや引き伸ばしをしないかと売り込みがありました。何も注文しないと新聞に掲載されるだけですが、ちょっと考えた結果、日本の両親向けにちょうど良いなと思って3枚セットのプリントをお願いする事にしました。

 撮影時の配置や姿勢は全く分からなかったので、カメラマンに一般的な方法を教わりました。撮影自体はプロ用のデジタルカメラで素早く終わり、備え付けのモニターを見ながら気に入った一枚を選び出しました。これが掲載用、およびプリント用となります。

 それから2週間後くらいに封書でプリントされた写真が到着。デジカメらしい粒子の粗さが分かりましたが満足行く出来映えの写真でした。2枚を日本の両親たちへ送り、残りを僕たちの物としました。

 さらに数日後、まずは地元のローカル紙に紹介文と共に掲載されました。文には「ヴィックルビー村カペラゴーデンのKazueとIkuruが5月26日に男の子を授かりました。名前はもゆる、体重3745グラム、身長51センチ。」この後、さらに3誌ほどの新聞欄に掲載されたようです。

 もゆるを連れて散歩をしていると見知らぬ人から”おめでとう!新聞見たよ。”と何度も声がかかると親になった実感を強く感じました。もゆるという名前は日本語でどの様な意味なんだ?といろいろな方にも聞かれました。日本人の赤ん坊は珍しいのか、結構注目の的。


新聞の告知欄に掲載されました。カラーだったので驚く。