MENU

スウェーデン木工留学記

ストックホルム編

2005.04.06

第34回 ストックホルムに春がやって来た

こんにちは!スウェーデンの須藤です。やっとストックホルムにも春がやって来たようで、10度くらいでもすごく暖かく感じます。王立公園にある桜が開花するには、もう少しかかりそうです。

今月開催されるミラノ サローネに、家具製作科とデザイン科の学生で行く事になりました。が、先生が日程を間違えていて、ホテルを再予約しようとしたら、当然ですがどこのホテルも満員…。結局、片道1時間かけて近隣の街から通う事になりました。もう、ガッカリ(笑)。

ストックホルムでは3月中旬になっても雪が降り、ギンギンに冷え込んでいました。マイナス20度前後まで下がる日もあり、息子の散歩をするだけでも一苦労でした。


僕の学校近くから撮影した朝のストックホルムです。普通の朝に見えますが、実は水面が凍っています。街が鏡の様に写っていて幻想的な風景です。


真っ白に雪が被っていますが、普段ここは海になっています。こちらは先ほどの場所よりも凍り付くのが早く、歩けるほどに氷が厚くなりました。


そして、春が突然やってきました。毎年そうなのですが、一気に暖かくなるという印象です。これはオレンス デパートの巨大な広告。化粧品の春モデルの宣伝のようです。


ここは地下鉄駅。世界中に展開するH&Mの春モデルの広告がズラーッとならんでいます。


僕がカメラを新調した後、撮影依頼(笑)が殺到しています。これはデザイン科のリンダがつくった様々な用途になる椅子。


寝たり、登ったり、逆さまにすれば子供向けにトンネルにもなります。


重ね合わせればちょっとしたバー カウンターの様にも。


家具製作科のエメリーが製作した椅子。デンマークの椅子ですが、デザイナーの名前は不明。


デザイン科のティムが考えた玩具。現在、デザイン科の学生はBRIOブリオ社との共同プロジェクトを進めていて、良い案があれば製品化の可能性もあります。


そのオモチャを借りてきて、息子に渡してみました。これは磁石を利用して様々な形状にする事が出来ます。


かなり興味を持った様で夢中で遊んでいました。


ちなみにこちらは、お馴染みのレゴ。幼児向けの巨大なレゴで、通常モデルより随分と大きくなっています。


家具製作科のシェーティルは現在、職人試験受験の戸棚を製作中。前回のレポートでも紹介していますが、ウェグナーの戸棚を作っています。


戸棚の正面を彩る、象嵌加工された突き板 (薄い板、ベニヤ) の裁断準備中。ウェグナーのオリジナルに忠実になる様に、資料を見ながらマークしていきます。


12個の引き出しと3枚の扉に切り分けて、接着。


側板との組み手用に鋸で切れ目を入れます。


蟻組み加工を開始。まずは大ざっぱに加工し、この後からは丁寧に仕上げていきます。


こちらは戸棚の本体。


脚の先端はこの様に真鍮になっています。


椅子の生地張りをする科へ見学がてら撮影に行ってきました。これはフレームにまずは下地の準備中。ここにクッション材となる物が結び止められていきます。


肘掛けにも分厚いクッションが入るようです。


背もたれ。垂れ下がっている紐は、一つ前の写真の肘掛け下部の様な感じに外地を引っぱるのに使います。


腰部にスプリングが入っています。


その椅子の座面前部。いつ見ても思いますが、ここの学生が行う仕事は芸術品の様。


職人試験を受験する3年生。座面のスプリングを押さえる為の紐の通し方を、左のクリスティーナからアドバイスをもらっているオーサ。


このスプリングの制御次第で感触と座面形状が変わってしまうので、大事な作業です。


クリスティーナが作業中の椅子背もたれ。


オーサがスケッチした龍の絵。


これを椅子座面に刺繍。


見慣れた顔がいると思ったら、家具製作科のハルマンが椅子の座面を編み始めていました。


第30回レポートで紹介したラスムスは籐で編みましたが、ハルマンは平たい紐で編みました。


現在、図書室内の展示スペースに並んでいます。


僕はそこで製図作業中。今回は手描きでもCADでも良いという事で、僕はCAD製図を選びました。白い椅子はブルーノ マットソン作。


他の学生はPC上でAuto CADを使っていますが、僕は自分のMACを使いたいので、Vector Worksで製図。普段の環境で作業できるので、非常に快適 (笑)。


最後に僕の携帯電話を紹介。ソニー エリクソン製の携帯電話 (あまり使わないので、経済的なプリペイド式を選択) です。お豆みたいなデザイン。


使用方法はこの様な感じでしょうか。ちょっと上の方過ぎるかな(笑)。


そして、これは息子の所持品。生まれてちょっとした頃に送られてきた物で、説明書には “戦争や災害時に身につけさせる事” との記述が…。身分証明用にID番号等が刻まれていますが、あまり使いたくないなあ~。


木工留学記

 カペラゴーデン編

メルマガで配信していた留学記です。主にカペラゴーデン留学中の1999-2003年頃の事柄を紹介しています。

子育て記

日本とは異なるスウェーデンの出産育児を絡めながら、2003年の長男誕生前後を紹介しています。

木工留学記

 ストックホルム編

カペラゴーデンの終わり頃と、ストックホルムのマルムステンCTDでの事柄が中心です。2003年からJDN(ジャパン デザイン ネット)上で7年間、連載していましたので読み応えがあります。

本になりました!

スウェーデンで家具職人になる!
税込み価格1890円
須藤 生著 早川書房発行
ISBN 978-4-15-208925-0

当サイト上に掲載している内容などを新たにまとめ直し、さらには書き下ろし記事もたくさん追加しています。写真だけではなく、図面なども豊富に盛り込んでいます。興味深い内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!