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SWAN HARP、イクルハープについて

2025年8月更新

ネット上で話題になり、たくさんの方から白鳥ハープについてのお問い合わせを頂いておりますので、こちらに情報をまとめました。
ハープの価格についても記しておりますが、私がハープを作るようになった経緯などもご一読いただけたら嬉しいです。 ご質問ご意見等、ご遠慮なくお問い合わせください

製作者 須藤 生(すとう いくる)について

私は北欧スウェーデンで家具作りを学び、日本で活動を始めてから約15年が経ちました。主に良質な木材を使用した家具作りに取り組んでいます。

あるときハープの演奏を聴く機会があり、その魅力と奥深さに強く惹かれるようになりました。それ以来、私の知識と技術を活かしてハープ制作に挑戦するようになりました。

参考ページ
・試奏動画 
・ハープ制作の歩み

私のハープの特性について

現在、おかげさまで多くのお問い合わせをいただいており(海外からも!)、ご注文もいただきましたので、新たに作る準備を進めています。
プロ・アマ問わず、皆様から寄せられたご意見やご感想をもとに、さまざまな条件下で試用を重ねています。私の楽器の特徴として参考になりそうな点を以下にまとめます。

プロの奏者の方々からは、他社製の楽器と比較しても十分な音量と豊かな響き、明るくキラキラした音との評価をいただいています。

グランドハープなど大型のハープを弾く方からは、弦の張りがやや弱く感じるとの意見があります(これは後述の弦の種類や張力に関係すると考えられます)。これは弾けないということではなく、普段の感覚と異なるため、多少の違和感があるということです。

そのため、本格的にクラシック音楽の世界を目指す方には、この点に注意が必要かもしれません。一方で、この張力の軽さは少ない力でも弾けるため、指への負担を軽減したい方や力に自信がない方にとって演奏しやすい楽器です。また、中世の楽器を好む方にも適しているとも考えられます。

弦について

弦の種類によって、音色や演奏感覚が異なります。

一般的にナイロン弦やカーボン弦が使用されますが、私のハープではカーボン弦(フロロカーボン)を採用しています。

ナイロン弦も研究中なのですが、響胴の小さな小型ハープですとナイロン弦は特性上、少し響きにくいという印象があり、今はカーボン弦のみを採用しています。

交換用の弦はすぐにご用意できます。弦の張り替えは、コツを掴めばそれほど難しくなく、ご自身で交換される奏者の方も多くいらっしゃいます。

材料について

国内外のさまざまな樹種を使用し、日本の湿度変化の多い気候に適した構造と製作方法を採用しています。

主に使用する木材は以下の3種類です
マホガニー:経年とともに深みを増す色合いが魅力の木です。
チェリー:マホガニーよりやや硬く、滑らかな表面の木材です。日本の桜も使用可能。
メープル:明るく清潔感のある色と硬く滑らかな表面が特徴。日本のカエデも使用可能。

また、響板や縁取りには以下の木材も使用しています。
ホワイトシカモア:ストラディバリウスなどの高級弦楽器に用いられる材
ウェンジ:黒檀のような黒く硬い材

レバーについて

半音調整は弦の調律で行えますが、ハープにはレバーを取り付け、これを上げ下げすることで容易な半音転調が可能です。

レバーの有無は奏者の好みによって分かれます。レバーが無い方が音質の劣化が少なく好ましいと考える方もいれば、レバー付きで表現力を高めたいと考える方も(こちらが主流のようです)。

さまざまなレバーを入手し比較検討した結果、フランスのカマック製レバーを採用しています。独自の機構で弦を水平に押すため、弦を傷つけずスムーズに動作します。レバーとフレットが一体型となっており、音色の不要な変化や雑音の発生を抑える優れた設計となっています。

一式揃えると高価ですが、上記のように他社製品と比べて圧倒的に作りが優れ、動きがスムーズで安定している点が特筆すべき特徴です。また、製作者の視点からは、取り付けや調整作業がしやすい工夫が施されていることも大きな利点です。

通常は右側のクロームメッキ(鏡のような仕上げ)のものとなります。ゴールドメッキやニッケルメッキ(使い込んだ金属のような風合い)もお選びいただけます。

ただし、レバー1つあたり3ユーロ(約500円)の追加加工費がかかるので15弦分となると少々高価です。どの仕上げも錆に強く、安心してお使いいただけます(錆が発生すると動作感の低下や異音の原因となる場合があります)。

チューニングピンについて

弦を張ったり緩めたりして調律する際に使用するピン(弦の上部、腕木に並んでいる金属棒です)には、2種類の形式があります。

・非貫通型
私が最初に製作したハープはこの形式です。裏面にピンが突き出ていないため、見た目がスマートでスッキリしています。軽さや持ち運びやすさを優先する場合はこちらが適しています。

・貫通型
一般的なハープやグランドハープで採用されている形式で、ピンが腕木の裏側まで貫通しています。調律の際は、裏側に突き出た部分にチューニングレバーを差し込んで行います。

ハープの経験がある方や、今後さまざまなハープに触れる機会が多い方には、この形式の方が扱いやすいと思います。ただし、ピンが長く飛び出しているため、小型ハープとしてはやや大げさな印象を与える場合があります。 *より短いピンがあれば理想的ですが、現時点では適したものが見つかっていないため、この仕様となっています。

ハープの修理・メンテナンスについて

私が製作したハープですので、調整や修理はすべて対応可能です。安心してお使いください。

弦が切れる場合もありますが、カーボン弦は非常に丈夫で切れにくい素材です。弦の張り替えが必要な場合は、遠慮なくご連絡ください。交換弦の費用は数百円程度で済む予定です。張り替え方法を解説した動画も今後作成予定です。

お手入れは特に神経質になる必要はありませんが、コロナ禍で増えた強いアルコール消毒は避けることをおすすめします。少量のアルコール含有のウェットティッシュで軽く拭く程度であれば問題ないことは確認済みです。

オイルを主成分とした表面塗装ですので傷がついても目立ちません。使い込むほどに色の深みが増して美しくなります。将来の再仕上げにも対応可能です。

バッグ、ケースについて

私が使用しているバッグは、マトリョーシカ作家のマミンカさん(私のハープの購入第一号)に製作していただいたものです。
一般的な楽器専用ケースほどの高い耐衝撃性はありませんが、このハープの特性に合わせた気軽に持ち運べる軽快なバッグです。

7月中にハープをご注文いただいた場合の特典として、このバッグをプレゼントいたします。販売時の価格は12,000円を予定しています。

バッグの生地は基本的にこちらにお任せいただく形になりますが、私が現在使用しているバッグのような、北欧風の柄を予定しています。

また、クッション入りのバリスティックナイロン製バッグを特注することも可能です。ただし、価格は4万円〜となる見込みです。樹脂やアルミ製のハードケースも特注業者に依頼できますが、15弦ハープでしたら旅行カバンで代用可能とも思います。ご希望があれば私が木箱を製作することもできますが、ちょっと大袈裟かもしれません笑

ストラップについて

他社の同サイズの小型ハープでは、ウクレレ用のストラップや金具が使われることが一般的です。これらは比較的安価で、私の方で金具を取り付けることも可能です。

私のハープでは少し高価ですが、アメリカのPeak Design製のストラップシステムを採用しています。元々はカメラ用に開発されたもので(高価な機材を落とさないよう抜群の耐久性を誇ります)、取り付け、取り外しが非常に簡単でありながら、誤って外れることのない優れものです。長さの調整も容易で、色使いもおしゃれです。

ご希望でしたら、ハープにストラップを取り付けた状態でお届けすることも可能です。

私が使用しているストラップはこちら:
Peak Design Leash

もう少し幅広のタイプはこちら。おしゃれな色使いが魅力です:
Peak Design Slide Lite

ハープのレッスン、教室などについて

最近はオンラインレッスンに対応されている方も多いですが、最初のうちは対面指導を受けられると安心だと思います。

私のハープを弾いていただいた先生方をご紹介します。白鳥に出会う前、私のハープに魔法をかけてくれた皆さんです 笑

・阿久津 瞳(あくつ ひとみ)さん
私がハープに携わるきっかけとなった先生です。初心者や、特に小型ハープに力を入れており、楽しくハープを学べるレッスンが得意です。拠点は宇都宮で、オンラインレッスンにも対応されています。
ハープ教室「竪琴教室林音」

・彩 愛玲(サイ アイリン)さん
クラシックの世界から、現在は音楽療法やZEN HARPなど幅広い演奏活動をされています。私のハープに興味を持ってくださった方なら、きっと相性が良いと思います!
都内ですので通いやすい方も多いのではないでしょうか。
ハーピスト彩愛玲 -Ailing Sai-

・邊見 美帆子(へんみ みほこ)さん
この写真はまさに白鳥に会う前日に撮っています。ハープの演奏で各地を飛び回っている中、弾いていただきました。ハープ専門店 銀座十字屋さんでレッスン講師をなさっています。
邊見 美帆子 銀座十字屋レッスン


・清水 祥江(しみず よしえ)さん
奈良に旅行した際にお会いし、たくさん弾いていただいた大阪の先生です。小型ハープに関する経験もたくさんお持ちです。
清水 祥江 アイリッシュハープ教室

・各地の教室
銀座十字屋(ハープ専門店)さんが紹介している全国各地の教室案内です。
全国ハープ教室紹介

仕様や価格について

私のハープは手作りで少量生産のため、価格はやや高めとなりますが、他のメーカー品にはない良質な材料で高品質な物を作っておりますのでご了承いただけましたら幸いです。

*白鳥の前で弾いたハープは15弦+マホガニー製です*

15弦ハープ

材料:マホガニーやメープル
重量:1.8kgほど(材料により上下します)
価格:200,000円+税(レバー無し)
   240,000円+税(フルレバー)

22弦ハープ

材料:マホガニーやチェリー
重量:2.4kgほど(材料により上下します)
価格:270,000円+税(レバー無し)
   320,000円+税(フルレバー)

ご注文の際は、お名前、ご連絡先、ご希望の仕様(例:弦数、収納バッグ、レバーや、ストラップの有無など)をお知らせください。それに基づいてご請求書を作成いたします。オーダーメイド品のため、お支払いは全額前払いでお願いしております。

納期は通常2~3ヶ月を予定していますが、他の仕事の状況により早まる場合や、少しお時間をいただく場合もございます。ご了承ください。

納品のための梱包箱や緩衝材について最適な方法を検討中です。これまで宅急便での輸送テストを複数回行っており、問題は発生していませんが、関東近県のお客様には、直接納品も可能です。

ご注文方法や楽器についてのご質問等、ご遠慮なくお問い合わせください

参考ページ
・試奏動画 
・ハープ制作の歩み